石川県の石材

石川県産石材のまめ知識

戸室石

赤戸室石の表面

戸室石とは、金沢市の東部の医王山の戸室地区から産出される花崗岩で、石質的には角閃安山岩と言われる。
戸室石はその色により、赤、青、と分別され、中でも青戸室石は石質が硬く、赤戸室石は比較的柔らかい石材である。赤、青の他に灰色も産出される。
その昔、江戸時代には前田家が藩石として独占し使用しており、金沢城の石垣や、兼六園の雁行橋などは戸室石で作られた有名な物である。
その他、兼六園内ではサザエ山の三重塔(赤戸室)や毘沙門塔(赤戸室)、噴水後横の春日灯篭(青戸室)等、園内各所に使われている。
戸室石はコケがつきやすく、その風情が庭に合うため古くより金沢の庭に使用されてきた。
近年は、ミネラル分やマイナスイオンの量等、その性質も注目されている。
(右の写真は赤戸室石の表面)

坪野石

坪野石

金沢市の南東部、坪野町より産出された黒灰色の石で、その昔江戸時代には前田藩が藩専用の石として使用を独占した石材。非常に硬い。
兼六園の海石塔の日袋部分、山崎山北西にある寄せ灯篭の中台部分、鶺鴒島(せきれいじま)の石塔(相輪部分)、蓬莱島西南端の石塔に使われている。
現在は産出されていない。

滝石

滝石

羽咋市柴垣海岸の滝地区より産出された花崗片麻岩で、古くは京、大阪にまでその名が通った庭石である。
山から出た「山滝」もあるが、海岸から出た「本滝石」は表面が水で侵食され滑らかになり、濡れると独特の模様を浮き上がらせる非常に風情のある石である。 
現在は、環境保護の為、採石禁止である。 

滝坂石

滝坂石

金沢市を流れる2本の川のうち、男川と呼ばれる「犀川」上流の滝坂地区より産出していた岩滓凝灰岩。
表面に小石が浮き出る独特な石材で、兼六園にも滝坂石は使われており、古くから金沢の庭石には珍重されてきた石材である。
兼六園の景石や寺島蔵人邸跡庭園の景石にも使われている。
現在は産出していない。